亜麻色の髪の乙女


(亜麻色ってこんな色?)
 最近ドビュッシーの話をしていたら、やたらとドビュッシーの音楽が頭の中で駆け巡る。今日は土曜日で世間的にも比較的ゆったりと時間が流れている。そのせいか僕の頭ではドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」が流れている。ルナピンスキーとライヴィッチのお散歩もBGMが優雅だとこいつらの道草も不思議と腹が立たない。どころが「何の草かねえ?」と問うてみる余裕すらある。勿論それに答える奴はいない。つまりただの爺さんの独り言になる訳だ。
 さて、そのくらい時間がゆったりと流れると何でもない事が気になるものだ。もう何十年も親しんできたこの名曲、そしてフルートでも何回か吹いてきたこのピアノの小品なのだが「亜麻色って、本当はどんな色だろうか?僕は本当はわかっていないのではないだろうか?」と今さらながら急に思った。今日までの僕のイメージは、金髪のヨーロッパ人にとって(それも単なる偏見だが)エキゾチックに感じる黒に近い栗毛に近いものだと思っていた。少なくとも僕はそんなイメージで演奏していた。だってその根拠は、リコーダーの保存に亜麻仁油を使うのだが亜麻仁油がまさにそんな色だからだ。気になったら即行動!の僕は散歩から帰って気ままに書店へ行ってみた。そこで色辞典を見たら・・・何とビックリだ!この歳まで(51歳)思い込んでいた色とは全然違ったのだ。限りなくベージュに近い色だった。フランス語の亜麻色をフランス語辞典で調べたら薄い金髪だと書かれていた。無知というのは全く恥ずかしい限りだ。これって無知の知??さっそく明日から「亜麻色の髪の乙女」の僕の演奏は変わるだろう。いや自分がこの曲を演奏する事は滅多にないから、ピアノ曲として人の演奏を聴いた時にこそこの曲の印象が変わるのだろう。まさに印象派の真骨頂だ。