ルナピンスキー手術する(2)


(すぐにこんなになりました)
 ルナの病気は子宮うのうと書いたが子宮蓄膿と先生は言っていた。
 さて体重を測ったルナは体重計から降ろされ・・・と書けばスマートだったのだが、実際は測り終えたルナは腰がひけてその勢いで体重計からひっくり返り落ちた。一人で帰ろうとするルナを制止して、いやいや後ずさりしているルナを手術室に引きずっていった。病院の床がつるつるしているのは何故か、その時初めて実感した。手術室へは僕も初めて入った。印象は普通の部屋に手術の為の用具が揃っている感じで、人間の病院にあるような独特の匂いは無かった。ルナも初めて入った手術室に興味津津で、あちらこちら匂いを嗅ぎまわっていた。その興味が幸いしてルナを簡単に手術台へ乗せる事ができた、とすぐに先生は注射をルナの身体に打った。「すぐに倒れるので気を付けて」と先生が言ったとたんルナは腰を抜かしてそして横になった。僕は「麻酔ってこんなに早く効くんですね?」と言うと先生は「これは一時的なもので、これだけではすぐに目を覚ませます。」と返事された。ここで僕は先生に緊急用に携帯電話の番号を知らせてから帰った。
 第一報が入ったのは午前10時半頃だった。手術は無事終わった。子宮の一つが思ったよりかなり大きく切開した部分からは出なかったので前の仔よりは少し長く切開した。との話だった。そうなのだ。前の仔、つまりムンちゃんも子宮蓄膿になったので先生の説明は明快に理解できた。ムンちゃんも47キロあった。切開の痕は思ったより小さくて10センチ位だった。だが後日、取り出したものを冷凍していますから見ますか?と言われ見せてもらった。初めて見た犬の子宮だ。ビックリした。まるでジャンボソーセージのようだった。一つが100グラムあろうものがソーセージのように何個も連なっていた。僕が先生に「犬の子宮て人間のようではないのですね?(見た事ないけど)」と言うと先生は「この一つ一つに子どもが入っているのですよ。」と言われ、犬が多産な理由を目の前で理解した。この記憶があるから、今の先生からの電話の説明をリアルに理解できるのだった。