今年ももう師走


(私は毎日こんなかんじでホケ〜としています)
 先月のフランクのソナタの演奏が僕にとっては久々の大曲であった事と、その前のいくつかの演奏で必ずもベストな精神状態で演奏できなかった事で、本当にプレッシャーのかかったしんどいコンサートだった。
演奏そのものは、すごく集中した状態で演奏していたので些細なタンギングのブレやピアノとのバランス、ピッチ等、リアルタイムで緊張かつ慎重に演奏していた分、客観的な評価は自分ではわからなかった。演奏が終わった後は、満足感よりピアノの徳冨信恵さんに迷惑をかけなくてホッとしたというのが本心だった。あれからもう2週間にもなろうとしているのにいまだにホケ〜としている。それでもコンサートを聴きに行ったりお店では忘年会の予約が入っていたりで慌しい師走を送っている。
 そんな時、毎年行っている北九州のバラ園のコンサートの共演者からメールが入った。ちょっとニュアンスが違うが、「人間万事塞翁馬」なる気持ちになった。まずこちらの由来だが、僕の記憶では(間違っていればまたご批評頂きたい)塞という翁が飼っていた馬がある時逃げ出した。残念に思っているとその馬が彼女を連れて帰ってきた。馬が増えたと喜んでいると息子がその馬に乗っていて暴れ出して怪我をした。悲しんでいると、そのお陰で息子は兵役に出なくてよくなったと・・・つまり人生何が幸運で何が不幸かわからないというよな話だったような記憶がある。
 バラ園は北九州市のグリーンパークの中にあって、本当に素晴らしいバラ園がある。春と秋にバラ園フェアの催しがあり僕達はそこで演奏をしていた。先日、そのバラ園フェアで演奏し終えた時、関係者から言われたのは、バラ園の経営体制が変わるので演奏会はこれが最後ですという話だった。僕達は残念だね、と話していたのだが(顔面を大怪我したのもそのせいだったのかも・・・)共演者からのメールにはこう記してあった。『体制が変わる事が決定して残念に思っていたが、新体制の中の相談役に自分の友人がいて、しかも彼はすごく音楽好きで、演奏会は残していたいとの意向だ。ありがたい話だった』と。世の中多くの人間関係で動かされていると改めて思わされた。