子猫物語(4)


(僕も可愛いでしょう?!)
 コゲはなんとなく家に寄りついて、餌をもらいながら何とか健康的な体つきになった。そしていつの間にか屋根裏に居つくようになった。何故わかったかと言うと、夕方開店前に年老いた母と食事を摂っていると時々天井でガタン、ドタンと音がした。きっとどこか屋根裏への入り口を見つけたのだろう。季節は冬になっていた。入り口を見つけて塞いでもよかったが、この季節の野良暮らしは寒かろう。僕はコゲがこの冬を越すまで屋根部屋を食事付きで貸してやる事にした。
その甲斐があってコゲはますます体つきが良くなっていった。それがその後大変な事態を迎える事になろうとは、その頃の僕には思いもよらなかった。