子猫物語(3)


(ん?僕はモナカだよ)
 ミケとコゲはすくすくと大きくなっていったのだが、僕になつく事はなかった。知り合いの猫好きの人も(その人13匹の猫を飼っている)「おかしいねえ、それ程近くで餌を食べているのならもう捕まえられてもいいのにね。」と言われるほど、4、5ヶ月も餌をやっても近寄ってくれない。
 今思えば、少し後悔している。本当にうちへ来た頃のように小さいうちに力ずくで網か何かで捕まえればどうにかなったかもしれない。その頃はお母さんも見張っていたので、お母さんの前でそんな気は起きなかった。
 ピーちゃん先生に相談すると、先生は「その位大きくなると力ずくで捕まえると噛みつかれたりして怪我をしますよ。猫はある意味で犬より怖いかもしれません。猫は現金なものですよ。餌を与えなければ自然に寄りつかなくなります。」と言った。
 僕は心を鬼にしてその日から餌をやらなかった。親の三毛猫はすぐに来なくなった。そのうちミケも来なくなった、がコゲは時々顔を覗けた。それでも餌をやらないように決心していたが、ガリガリに痩せたコゲを見たら餌をやらざるえなかった。