ルナちゃん物語(2)


 ルナちゃんの色仕掛けにライ君が堕ちてしまうのに時間は掛からなかった。だからと言って、ライ君とルナちゃんがとっても仲良しになる訳ではなかった。
 ルナちゃんは賢い仔だ。ライ君が寝ているベッドに入りたがる。最初はライ君の前に仁王立ちしてウォンと威嚇していたが、僕達が戒めると今度は、僕の所へ来て頭を掏りつけて撫でてもらう作戦にでた。彼女はライ君の性格をよく理解できていた。僕がルナちゃんの頭を撫でてやると、ライ君が嫉妬して僕に寄ってきた。するとルナちゃんは何にもなかったようにライ君のいたベッドに入っていった。自分のベッドがあるにもかかわらずだ。最近はもっと違う方法を考え出したようだ。ライ君が寝ているベッドに近づいたルナちゃんは、ライ君の前で仁王立ちしてそのままじっとしている。こちらとて、そのまま大人しくじっとしているルナちゃんを注意する事はできない。ライ君も上目でルナちゃんを見ながら無視している・・・が、だんだんとルナちゃんの無言の圧力が高まっていくのだろう。しばらくしたらライ君が「ウワン」と文句を言ってそこを明け渡すのだった。
 我が家はみんな女の方が強いのだった。