ルナちゃん現れる(2)


(私がルナちゃんですよ)
 僕は息子に「凄いクリスマス・プレゼントが来るかもよ。」と言って、その時を待っていた。
 グレート・デンが到着した。その堂々した様子は以前会った時と変わらない。ライ君は、自分のテリトリーにシレ〜と入ってきたグレート・デンに威嚇する事はなかった。が、親しくする素振りはなかった。
『この知らないでかい犬はどなた?』的な距離感で僕達の雰囲気を伺っていた。
 僕達はみんなで少し散歩する事になった。彼らに全く問題はなかった。家に帰って足を洗う為、風呂場に連れて行った。実はライ君の場合は、別に風呂場で足を洗ったことはなかった。裏口から上がった所でサッサとタオルで足を拭くだけだった。
 今回、柄にもなく僕はセレブな演出をしてみたのだった。それにライ君は付き合ってくれた。彼はライ君を風呂場に連れて行くと彼は従順に行動した。次はグレート・デンだ。ところがグレート・デンは強固に嫌がった。あれほどデカイ犬だ。それに僕とまだ主従関係ができていない。僕はすぐに折れた。みんなで大きな居間に集った。グレート・デンは早速ライ君のベッドに目を付けた。このベッドはもともと溺愛していたムンちゃんのベッドで彼女は一階と二階用の二つの大きなベッドがあった。どこまで甘やかしていたんだ!という話だ。以前に記したが、それにもかかわらずムンちゃんは僕のベッドで寝ていたのだ。
 そのベッドの一つが今はライ君の物になっていた。そのベッドにグレート・デンは向かった。ライ君は慌ててベッドに行ってそれを阻止したし、僕はグレート・デンに「それはダメ!ライ君のものだから。あなたのベッドを持ってきてあげよう。」と言って、急いで二階からベッドを持ってきてやった。超大型犬用のベッドが余っている所はそんなにあるまい。それだけでも、関係者には安心して頂けたのではないかと思った。そこに事件が起きた。