ルナちゃん現れる(1)


(いよいよ主役の登場ですか?)
 ライ君が3月に我が家へやってきた、その年の冬のある日、普段は一緒に行く事がない嫁さんと一緒にある街へ出かけた。私の仕事中に、嫁さんは街へショッピング兼ねてブラブラしてくると言って家を出た。
 しばらくして僕の携帯に嫁さんから連絡が入った。
「グレート・デンが里親募集だってよ。」
 そう、僕はムンちゃんが亡くなって、次に飼うとしたらレオンベルガーかグレート・デンを飼いたい!と言っていた頃があった。しかし嫁さんの話ではそれ程大きな犬は短命で10年は生きられない、と聞いたので、それは可哀想だねと諦めた。ここでも神様が僕達の会話を聞いていたのだった。
 僕はそのグレート・デンの載っているチラシを写メールしてもらって関係者に連絡した。
 運よく翌日僕達は関係者とグレート・デンに会える事になった。たまたまライ君も連れてきていたので、ライ君も連れて行く事にした。
 翌日僕達は指定された場所に行った。さすがにすぐにわかった。まさしくグレート・デンだ。だから隣にいる男性が関係者だ。
 僕達はみんなで少し散歩した。グレート・デンはさすがに超然としていた。その堂々とした態度はまさしくグレート・デンだった。
 僕が関係者に「もしよろしければ、このまま一緒に連れて帰りますが。」と言ったら、その方はよほど愛しておられたのでしょう。
「いえ、犬は外での態度と自分のテリトリーの中での態度は違いますから。今度は私がお宅の家へこの仔を連れて行きましょう。」と言われた。
 僕達は12月25日にその約束をして別れた。