ライ君物語(4)


 今日は我が家で全幅の信頼をおいているピーちゃん先生の話から始める。
 先日ある事でピーちゃん先生の所へ行った。最近の事件だが、山口県のある田舎で大量殺人を犯した者が逃亡していた。その者の家にはゴールデンレトリバーがいた。そんな映像も含めてその事件は全国の報道番組でトップ情報として流されていた。
 ピーちゃん先生との会話の中で、その話しになった。先生は、愛犬家の心理としてはと前置きされて、
「本当に逃げるのであれば、犬を家に置き去りにはしない。犬を家に繋いだまま逃げているのであれば、いつでも帰ってこれる近くにいる筈です。」と言われた。事実その2日後、犯人は家の近くの山中で見つかり逮捕された。
 これだからピーちゃん先生と話しするのは楽しい。僕はいつも嫁さんとペット達を連れていくのだが、その主な目的は予防注射でもなくフェラリアの薬をもらうのではなく、先生と話をするのだった。それほどピーちゃん先生の話は人生観を新たに考えるきっかけになる。
 さてライ君の話。ライ君は夏に鼻血を出した位で、極めて健康に暮らしてくれた。ただ、せめて30キロ欲しいと言われて我が家に来たが、去勢したせいか(そのせいにしておきたい・・・)みるみる太って、本来の体型ではない別の犬種のようになった。つまりシュッとしたシェパードがバーニーズ・マウンテンドッグのような体型になってしまった。それはそれでいいかなあ・・・と僕は愛くるしい眼差しでライ君を見ている。そのせいもあるのだろうか、あれほど人気者だったライ君も一年が過ぎた頃には、誰からも声を掛けられなくなった。