ライ君が我が家にやってきた(2)


(ハウスのライ君)
 次の日、僕は嫁さんと小学6年生の息子を連れてライ君を迎えに行った。愛想のいいライ君は息子にもすぐに馴染んだ。女性店長がライ君の為にに使っていたグッズを全て付けてくれた。その中にはドッグフード用の器、リード、カッパ等があった。しかもライ君専用のドッグフードだったからと小袋に入った高級そうなドッグフードが20袋入りの大きな箱を二箱も付けて頂いた。本当にライ君は愛されていたのだ、と感じた。帰り際、女性店長さんから「ライ君は凄い偏食で大変ですよ。せめて体重も30キロになればいいのですが。」と言われた。
 我が家にやってきたライ君は全てのものに興味津津だった。フライパンを取ろうとドアを開けると僕の手より先にライ君の鼻先があった。タオルを取ろうと引き出しを開けると僕の手よりライ君の鼻先があった。不覚にも不意にモナカにライ君が遭遇してライ君が追い掛けたが、モナカがライ君と仲良くなるのに時間は掛からなかった。ライ君はすぐにモナカが可愛がられている住人だと理解しただ。だからモナカが来るとライ君はじっと座ったままでハッハハッハと硬直していた。それをモナカがライ君に自分の身体をジト〜と擦りつけていくのだった。
 偏食家だと言われたライ君は、どこが偏食家なの?と思う位よく食べた。30キロは欲しいと言われた体重が40キロを超えるのに時間は掛からなかった。
 そんなライ君も全く問題がなかった訳ではなかった。散歩など、楽しくて興奮すると歯をむき出しにして威嚇するような唸り声をあげることもあった。
 それをピーちゃん先生に相談すると、先生は「シェパードのような種類は時々凶暴な性格になる事があるから、気になるようでしたら去勢した方がいいかも」と言われそうする事にした。
 去勢されたライ君はますます太って今では48キロもある。穏やかなデブ犬になった。