モナちゃん物語(2)


 モナちゃんは完全な家猫として育てた。つもりだった。だから時々夜家に帰ってくる途中駐車場付近で見かける猫を見てもそれがモナちゃんだとは思わなかった。「今モナちゃんに似た猫をまた見かけたよ。」なんて暢気に話していた。
 ある日その猫とはっきりと目を合わした。僕は急いで家に帰って家族に「お〜い、今モナちゃんが居るか確認して!」と言った、結果居なかったし娘のへやの戸が猫の力で開け閉めできる事がわかった。ムンちゃんをはじめみんなでモナちゃんを探して事なきをえた。
 そんなモナちゃんだが、元は野良猫だったからか、もともとの性格だからかとってもシャイだった。我が家へ来る人がモナちゃんを見る事はまずなかった。
 それだからかある日モナちゃんが血尿になった。それ以来モナちゃんは病院食だ。少し値が張るが、ムンちゃんの餌代を考えれば安いものだ。
 ある日ピーちゃん先生から「結構太ってますね。」と言われた。僕ではない。モナちゃんだ。
 ムンちゃんが47キロとでかいので、モナカがそんなにでかいと思っていなかった僕達夫婦は、
「そんなに太ってますか?」と訊くと、
「ええ、私の所へ来る猫で5本の指に入ります。」
とピーちゃん先生から言われた。
 僕達は初めてモナカがブタネコだと自覚した。