ミミちゃんが来た


(右がミミちゃんで左がリンちゃんです❤)
 ピーちゃんが亡くなると、僕は寂しくてしかたがなたった。夜寝ていても、廊下で歩いていたピーちゃんのピョコタンピョコタンという音が耳に残る。自然と涙が出た。
 実は僕達夫婦はピーちゃんを飼いだしてからはウサギマニアになっていた。市街県外市外どこへ行ってもウサギがいる所へは必ず顔を出ししていた。
 あるペットショップで若い女性の店員が、
「ウサギは脳みそが小さいのであんまり馴れません」と言った日には、
「ウサギは賢いぞ!ピーちゃんを見せてやろうか!」と車中で憤慨しながら帰宅したものだった。
 ピーちゃんがいなくなって寂しくなった僕は、近所のホームセンター内で小さなライオンウサギが売れ残っているのが気になりだした。ライオンウサギは毛が長くてちょっとポッチャリしたウサギだ。だから子どもの時はボールのようにまん丸だった。そのライオンウサギが売れ残っていた。生後6ケ月でもう大人になっていた。ピーちゃんよりもはるかに大きかった。
小さい時は2万円位した値段も今は5000円に下がっていた。
 僕はそのライオンウサギを持って帰った。名前をミミちゃんとした。
 ウサギは賢い事を知っている僕達は、当然ピーちゃんのように座敷ウサギにした。長い間お店のケージ暮らしだったミミちゃんは、喜んで家の中をウロウロした。
 次の朝「あ〜!」と初めて聞く嫁さんの大きな声が家の中で響いた。
 ミミちゃんが洗濯機の排水ホースと電気コードを、洗濯機本体の根元からかじり切ってしまったのだ。
当然使用不能。我が家は新しい洗濯機を買わなくてはならなくなった。そしてミミちゃんはケージ暮らしになった。
 ミミちゃんにとって、束の間の自由な時間だった。
そして僕達は、バカなウサギがいる事を知った。