ピーちゃんが病気になる(1)


(ルナちゃんはいつもこんなに元気!)
 ピーちゃんが4歳になったある日、突然に餌を食べなくなった。様子をみようという事になって3日経ってもまだ餌が食べられない。これは変だという事になり、僕達夫婦は未知の体験、動物病院を探す事にした。
 僕がペットを飼っている友人や知人に動物病院の情報を色々と訊いた。その中で、国立大学の大学付属動物病院の情報があった。ここがいいだろうと早々駆け付けた。学生らしき助手を2人従えた白衣を着た先生がピーちゃんを見てくれた。その先生が「これはオスかね?メスかね?」と学生に訊いている姿に僕は少し不安を感じた。結果は、毛玉がお腹に溜まっているのだろうという診断で、毛玉を溶かすというゼリー入りチューブを処方してもらって帰った。
 ところがピーちゃんはなかなか良くならないし、どんどん痩せていく。いろいろなウサギ本を買っては病気の事も調べてみた。5日間そんな調子で様子を見ていたが、このままでは死んじゃうと思い、前出の情報収集の中で一番名前が出てきた動物病院へ行く事にした。
 その動物病院の先生は体格の引きしまった若ぶりな中年の男性だった。先生はシリアスな表情を崩す事なく僕達の話した今までの経過を訊き終えると、冷たい口調でこう言った。
「はっきり言って私は今までウサギを診たのは一回だけです。何故ならウサギが調子悪いからって病院に連れてくる人なんてまずいません。それを理解して頂けるなら診断します。」
 僕達が診察をお願いすると、先生はピーちゃんのお腹をしばらく触診してこう言った。
「私の勘ですが腫瘍のような気がします。」と言って
僕にピーちゃんのお腹を触らせた。ピーちゃんのお腹には固いピンポン玉が入っているようだった。
「もしこれが毛玉だとしても、薬で溶けるような大きさではありません。どっちにしても手術をした方がいいです。」
先生は愕然としている僕達に更に冷たく説明した。