第二幕第三場 赤ハリ通信

 第二幕第三場 赤ハリ通信
 第二回赤ハリ会議と称した試食会の翌晩、ノブチンより『赤ハリ通信』に報告が入った。
『今日赤ハリ先生と友人のマンションへ行ってきました。結果としては想像以上の、いや私の想像をはるかに超える程の収穫でした。ましてや段ボール箱三つ持って行こうとした赤ハリ先生におかれましてや完全に思考能力を失われ、一人の労働者となられておりました。その労働者がマンションから軽トラへ、軽トラから自宅の倉庫へ運び込んだのは、大きな平皿100枚、大きな深皿100枚、中位の平皿、深皿各100枚にコップ100個、ワイングラス100個、ナイフ、フォーク、スプーン各100本、それに料理用の大鍋小鍋10ケ、フライパン5ケ、その他にイタリアの地図やパスタやトマトの図柄が入ったポスター等、赤ハリ先生は本当によく働きました。パワーが弱くてもスピードが遅くても作業は確実に進んでいくものだと実感しました。赤ハリ先生のレッスンでの口癖、「ゆっくりと、そして確実に!」が初めて理解できました。(笑)これで食器の類は心配ありません。そうそう当然ですがお箸はありませんでした。以上』