第二幕第二場 開店準備


((8)話で香菜里屋を香奈里屋と記してしまいまし た。香菜里屋が正確な表記です。ごめんなさい。)
 第二幕第二場  開店準備
 第2回目の赤ハリプロジェクトは赤ハリ先生のお店で平日のお昼に開催された。
 赤ハリプロジェクトの主旨が、赤ハリ先生の転職を陰なり直接なり支援していくという事であるならば、今日のプロジェクト会議は白日の下で行われている様なものだった。何故なら、ここは赤ハリ先生の店であり本人がカウンターの中におり、プロジェクトのメンバーがカウンター席に座って各自が赤ハリ先生を見ながら話をしていた。
 このお店で開催されたのには大きな理由があった。それは赤ハリ先生が『お店に出す料理の試食』と称して手料理をふるまってくれるのだ。だから当然出席率も高くなる。
 L字のカウンターは5席ずつありL字の上から、平日は学校で来られないタメ池の代わりに参加したイルカさん、アラフォーOLのノブチン、神杉静江さん、私、タア子が座り、90度曲がってノブタとオロチが座った。タメ池の代わりに出席したイルカさんは、本来プロジェクトのメンバーを辞退した筈だった。彼女の参加は試食が目的なのは明らかだった。それにOLのノブチンや弁護士のノブタだって平日は忙しい筈だった。そこへガタンと粗雑にドアを開け中に飛び込んできたのはタメ池だった。学校を仮病を使って抜け出してきたと言う。試食目的の人物がもう一人増えた。私は食べ物の強力な引力をまざまざと見せつけられたのだった。タメ池は無礼にもおとなしそうな神杉静江さんに、ノブチンの隣に座りたいから替わってくれと言う。タア子がそれをたしなめ、タメ池は渋々オロチの隣に座ったのだった。