第一幕第三場(5)
その日の夜、私のパソコンにノブタからのメールが入っていた。赤ハリプロジェクト会議の最後にみんなでメール交換をしたのだった。私は家に帰って早速パソコンにみんなのメールを登録して、受信したら誰だかわかるようにマークを付けていたのだった。因みにタア子のマークはタコで、山多君はとぐろを巻いた蛇だ。あとはイルカとドア(ノブチン)と木(神杉)のマークを付けた。
その私のパソコンに豚のマークが受信を知らせていた。このマークでノブタからだとすぐにわかったのだ。で、その豚マークをクリックして開いてみると、
『多賀子さんから居酒屋の情報を教えて欲しいとのメ ールがありました。
先生と3人で居酒屋巡りをするそうで、いいねえ。
先生と一緒である貴女達も羨ましいし、貴女達と一 緒の先生も羨ましいです。
(この一行の間は、自分も誘って欲しいという期待の間なのだろうか?だとしたら無視ね。)
いろいろな居酒屋に行ってそうな多賀子さんは好み と偏見が強そうで、それにブラマンさんの方が冷静 にお店を検索してから行くだろうと思い、貴女にメ ールしました。
(それこそ偏見だろうが〜、それにノブタからブラマンと呼ばれたくないぞ!)
数多くの居酒屋へ行った俺の経験から、次のような お店に行ってみたらいいと思います。
① 全国にチェーン展開しているようなリーズナブ ルで人気のある大きな居酒屋
② メニューが豊かで値段が高くても人気がある
チェーン店でない居酒屋
③ 先生が始めようとする居酒屋と同じような規模 と形態の店(つまり一人で切り盛りなされるの か?夫婦でなされるるのか?アルバイトがいるの か?)
④ 先生がメニューに入れる品で、それを特に特化 しているような店(おでんとか焼き鳥など)
⑤ 昔からある古い店で、小さいながらも人気のあ る居酒屋
以上、参考にして頂ければ嬉しい限りです。』
私はノブタのメールをそのままタア子に転送して、お礼のメールをノブタに送信するように頼んだ。
(第一幕第三場 終わり)