第一幕第一場(3)

 で、そのタア子が騒動を持ち込んできたのだ。
「ブラマン大変よ。本当にビックリしたんだから・・
何だと思う?」
「さあ・・(あなたの脳みそ以上にビックリする事って考えられないわ)・・・私、あなたの心が読めないからわからないわ。」
「そう、だったら絶対にわかりっこないわ。だって本当にビック・ニュースなのよ。ブラマンだって絶対にビックリするわよ。」
 ちなみにブラマンとはタア子が勝手に付けた私のあだ名だが、私は今でも承知していない。だからここでは、私が何故ブラマンというあだ名なのかは説明したくない。
「赤ハリがさあ、赤ハリがなんとピアノを止めちゃうんだって!」
「えっ、・・・どういう事?」
「ねっ、ビックリでしょう?」
 ビックリというより、タア子の情報網への不信感の方が・・・
「ねえ、その話のニュース・ソースはどこ?誰?
本人?」
「何ソースだかわからないけど、とんかつソースじゃあない事は確かよ。」
「タア子!ふざけていい時と真面目に話さないといけない時があるの!」
「ごめ〜ん、ブラマン。何とかソースはオロチよ。」
(あいつかあ〜、あいつはクソ真面目だがちょっと挙動不審だしなあ・・・う〜ん、嘘を言うやつじゃないから、もうちょっとタコから詳しく訊いてみるか)