【調和の霊感】を終えて(1)


 先日10月19日に、今年1月から書き始めた音楽ミステリー小説【調和の霊感】を書き終えた。正確に言うと去年書いた小説を、今年ブログに補筆しながら少しずつ載せていったと言うべきなのだろう。初めて書いた小説だったが、改めて文章を書く事は難しいし奥が深いと感じた。去年仕上げてある小説コンテストに募集した作品であったが、その原稿は今年になって校正、補筆でワープロ原稿用紙130枚のほとんどのページが真っ赤になった。ストーリーは絶対面白いと自負しているが、その面白いストーリーをどのように書き上げるかは文筆の技術なのだろう。
 小説を書こうと思い立ったのが去年の1月だっただろうか。書きたい素材は既にあった。それは生涯の最後の2年間が不明だったヴィヴァルディだ。それにストラディヴァリのヴァイオリンの秘密を絡めるとちょっとした小説になるという軽い思いだった。資料を調べていくうちに、僕の頭の中は壮大なるミステリー小説になった。しかも愛すべきキャラクターも自然と設定でき、執筆は大変楽しい作業になった。それを5月のコンテスト締め切りに間に合うように急いで書いたものだ。コンテストは全然ダメだったが、今となっては真っ赤に校正、補筆された原稿を見ながら大いに納得している。それでもこの素材を埋もれさせるにはもったいないと今年からブログに載せていったという訳だ。
 思えば去年から慌しい生活を送っている。上記のように小説を5月の締め切りに追われながら書き終えると、気がつけば我が家は生活の危機を迎えていた。どうしたものか考えたが、考えても生活が良くなる訳がない。結局僕は音楽活動を廃業しようと決めたのが8月だった。