エッセンの修道院で(3)


(寝ながらでも読んでね❤)
「ありがとうございます。そうでしたね。私もここへ来て、院長がロートリンゲンハプスブルク家に関係の深い方だと知ってビックリしましたわ。もしピエタでそれを知っていたら、私は院長に手を掛けていたかもしれません。本当に恐ろしい事でした。」
「それは考えられないわね。もしそうだとしたら、とっくにアントネッラは倒れていたわ。」
「でも、あの頃は皆がアントネッラさんを疑っていたのに、院長はどうして彼女を疑わなかったのですか?」
「アントネッラが疑われたのは、あなたがそうなるように仕向けたからでしょう。あの時、アントネッラと一緒にいたあなたが倒れたから、皆がアントネッラを疑ったのよ。あなたは少量のトファナ水でも服用したのかしら?もちろん私も当初はアントネッラを疑ったわ。でも私には何か腑に落ちなくて心に引っ掛かるものがあったの。それを解決してくれたのが五色ヒワよ。」
「五色ヒワ?フルート協奏曲のですか?」