『調和の霊感』第2章へ(1)


(私はルナピンスキーです。)
 『調和の霊感』の第2章のタイトルは「ストラディヴァリウスの秘密」です。
 ストラディヴァリウスストラディヴァリとも言われている高名なヴァイオリン制作者です。クラシック音楽に興味がないどんな人でもベートーヴェンの名前くらい知っているのと同じくらい、多くの人がストラディヴァリの名前は有名だと思います。なぜこんなに有名になったのか?というとやっぱり彼の創った楽器が素晴らしいからに他ならないのです。その証明に多くの有名な演奏家ストラディヴァリを使っている事実からもわかります。ストラディヴァリウスはラテン読みで、本人はストラディヴァリと呼ばれるのを嫌っていたという事なので、この小説でもストラディバリウスと記しました。彼の創った楽器を『ストラド』と呼んでいます。ですから彼の愛称として『ストラド』の呼び名を使いました。
 古今東西、多くのヴァイオリン製作者がいた(いる)中でどうしてこれほどストラドのみ絶賛されているのでしょうか?実はストラドのみがいい楽器ではなく、素晴らしい楽器はたくさんあります。ですからストラドが神格化されてしまったという事もいえるのでしょう。だけどストラドが素晴らしい楽器であることは事実です。特にある時期のストラドが最高の出来だったようです。
ストラドが素晴らしいのはニスに秘密があると、長年言われてきました。私の小説でもストラディバリウスの秘密にニスがある方向で展開されています。私の説はもちろんフィクションですが、日本人らしい視点でもってヴェネチアの風土を考えた説を展開しています。楽しみにしていてください。
 ストラドのニスについては、現在の科学的な見解では、普通のニスであったと結論が出たようですが、私はまだまだロマンを持っています。