キアーラの部屋で


(ここは私の部屋よ❤)
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 キアーラの話が終わると、パオラが言った。
「ふ〜ん、そんな歴史があったのかあ。私はキャラがいた時にここへ来られて本当に運が良かった〜。アンも頑張りなよ、キャラは本当にいい姉さんだからさ。でもアン、キャラたちの活躍でピエタが有名になっちゃったので、今は多くの娘たちがここへ来ているのだけど、皆がみんな孤児ではないのだよん。まあ、その辺はだんだんわかってくるわよ。それでキャラか私に何か質問はあるのかなあ?」
 正直、アンはキアーラの歳が気になっていた。それは年齢だけでなく年相応の・・・
「すみません。ではお言葉に甘えてはっきり訊きます。キャラはなぜ結婚しないのですか?恋人はいないのですか?」
「でた〜!キャラもビックリの単刀直入。さあ、キャラはどう答えるのでしょうか?それでは、私が司祭になって、キアレッタさんの告白を聞きましょう。」
 パオラは、ふざけながらその場を盛り上げてくれる。本当に明るく楽しい人だ。
「もうパオラったらやめて。アン、私あなたのの事が好きよ。出会ってそんなに時間が経っている訳ではないけど、私は人間性を直感で判断できるのよ。
 アンはその根拠が知りたいのでしょう。そんなタイプよね。でも直感は説明できないから、代わりに一つ、あなたの秘密をここでバラしていい?」
 アンナはドキッとした。そしてなぜか急にキアーラだけには嫌われたくないと思った。
私の秘密・・・?」
「すご〜いキャラ、もうアンの秘密をつかんだの?何?なに?何?」
 パオラがいると本当に楽しい。パオラとも仲良くなりたい、アンナは本心で思った。
「ア〜ンナ、あなた結構ヴァイオリン上手なのでしょう?私わかっちゃったわよ。
 次の練習後、私に本気モードであなたのヴァイオリンを聴かせてよね!
 今日はもう遅いわ。もう寝ましょう。」
 アンナの戸惑った顔を見なかったのは、キアーラの優しさだったのか?あるいは、パオラにそれ以上の質問をさせないように配慮したのか?どちらにしても、15歳のアンナには計り知れない事だった。