本のタイトルは『調和の霊感』だよ


(何をしているのかなあ?)
 先日面白い事があった。
 山ちゃんは急に張り切って料理をしたり洗い物をしたりしているものだから、指先がガサガサになったらしい。それを奥様に言うと「なんでもかんでも金タワシで擦るからよ。あれを使うとすぐに指がボロボロになるわよ。」だって。でも奥様は優しいから山ちゃんに口にしても大丈夫だからと馬油を買うように勧めた。さっそく奥様と馬油を買いに行った山ちゃんは、いくつかある中で一番高い馬油を買った。(そんなにたいした指ではないのにね・・・ルナ)山ちゃんはさっそく蓋を開けて馬油を指に塗っていた。そのまま山ちゃんは外出した。だから私は見たのだった。あのライヴィッチが蓋が開けっぱなしになっていた馬油をほとんど舐めてしまったのを!・・・ライヴィッチは怒られるぞと楽しみにしていたのに、奥様はあ〜あバカだね。で終わった。そのバカはライヴィッチではなく山ちゃんに向けられた言葉だと、山ちゃんが帰宅した時にわかった。帰宅した山ちゃんに奥様は「蓋を開けっ放しにして行くから、ライちゃんから全部舐められていたわよ。」だって。山ちゃん、ライヴィッチに「このバカチンが」と怒る怒る。奥様が山ちゃんに「だって開けっ放しにする方がバカチンよ。これは馬油だから舐めても大丈夫!」とライヴィッチに味方していた。結局高い馬油がたった一塗りで無くなったのであった。
 ところで、今度連載する本のタイトルは?と山ちゃんに訊いたら「調和の霊感」だって。なんじゃそりゃ?すると山ちゃん、ヴィヴァルディの作品集の名前だと言う。ああ、あの有名な春など四季が入っている奴か・・と言うと、それは違うという。とにかく、ヴィヴァルディが主人公の小説だな?と言うとそうではないと言う。ただ、ヴィヴァルディの人生はとても面白いのだそうだ。もうちょっとヴィヴァルディの事を山ちゃんに訊いてみる事にした。