思い出のアルバム


(ピーちゃん、山田家初のペットでした)
 山ちゃんはあれだけいろいろな国を旅していたのに全然写真がなかったそうだ。カメラは重たいから持っていかなかったと言っている。結局撮る事に興味がなかったようだ。だから旅行の話をしてくれても写真が無いからイメージがわかない。そんな山ちゃんだから留学時の写真なんて無いだろう、と思いきや、4年もドイツにいればそれなりに写真がたまったそうだ。山ちゃんが撮らなくても周りの友人知人が撮ってくれたようだ。写真を撮る事が好きな人は人にあげるのも好きみたいだ。そういえばルナピンスキーも山ちゃんは全然写真を撮ってくれないけど犬友達が撮ってくれるので、けっこう私やライヴィッチの写真を山ちゃんは持っている。山ちゃんはただのケチではないかとルナは思っている。
 さて帰国が3日後に近づいてきた山ちゃんは、部屋の片づけを始めた。ところが写真の整理から始めたのが悪かった。山ちゃんは一枚一枚感慨深く眺めながら買ってきたアルバムに整理していった・・・結局、その日は写真の整理だけで終わった。
 次の日は数人の仲間が手伝ってくれた。一体昨日は何をしていたのかと文句を言われながら、山ちゃんは頑張って働いた。日本人先輩の情報で、大きな麻袋に入れて船のコンテナ便で送れば一番安くすむ、という事だったので日本へ送るレコードや楽譜などを片っ端から麻袋に詰めていった。本来は昨日詰め込みやすくまとめておく予定だった。でもなんとかその日に終わった。大きな麻袋5袋分だった。郵便局に並んで手続きするのに1時間かかった。だいたい3万円くらいかかった。山ちゃんが日本へ帰ってからその麻袋が自宅に来たのは2ケ月後だった。
 帰国まであと1日になった。