二つのパーティー


(パーティーにはケーキがつきものでしょう)
 北欧からデトモルトに帰った山ちゃんは、とっても忙しかった。何故なら卒業完了記念パーティーを開催するのがデトモルトの学生の慣習だったからだ。山ちゃんも過去に日本人留学生のパーティーに何回か参加していたから雰囲気はわかっていた。ドイツ人の卒業記念パーティーは一回しか参加した事がなかった。何故ならフルートの教授であるアヒレスのクラスは山ちゃんが入学してから誰も卒業していなかったからだ。山ちゃんは同じフルートの門下生と日本人留学生を招待する事にした。会場は山ちゃんが住んでいた寮ブリンデンハウスのロビーだ。料理は全て山ちゃんが作った。何人かの日本人の女性が手伝ってくれたが、役に立ったのは一人だけだった。だって意外に同門のアヒレスクラスの連中がやって来たのだった。その数10名はいた。それに日本人で卒業パーティーは久しぶりだったので日本人も結構来てくれた。会った事のない日本人も来ていた。夕方5時から始め終了したのは深夜1時を回っていた。その間主役である山ちゃんは、予想外の来客の多さに、料理作りに奔放していたのであった。
 もう1つのパーティーは個人的にアヒレス教授夫妻を招待したものだった。これは山ちゃんの日本人伴奏者が協力してくれた。ただその女性、以前このブログでお話ししたように、すき焼きの材料もわからない奴だった。だから結局山ちゃんが全ての料理を作った。
勿論日本食だ。ただ、材料は限られる。その中で考えたメニューは、前菜、エビとアボカドのサラダ(これって日本食?)天麩羅(エビと玉ねぎと・・?)、それにスキヤキをご馳走した。先生も奥様も大変喜んでくれた。最後に何が一番美味しかったか尋ねた山ちゃんだったが、アヒレス教授の回答は、エビとアボカドのサラダだった。・・・そこかよ・・・!