さあ北欧へ出発だ。


(2月の北欧ってすごい雪なんでしょ?)
 山ちゃんは2月の卒業試験が終わると、すぐに北欧へ旅行をする事にした。今でもそうだが、北欧は社会保障がすすんでいる国なので税金が高いのだった。したがって物価が高いという。山ちゃんは相当な覚悟をもって旅行へ出かける事にした。まずデトモルトの旅行会社で一番安く行ける切符を手配した。あとは8万円程あればユースホステル代と食費くらいは何とかなるだろうという判断だ。もちろんレストランで食事をするつもりはない。当然スーパーでパンとハムを買ってユースで食べるつもりだった。デトモルトからだとまず北ドイツのハンブルグへ行く。そこから夜行に乗り換えてデンマークの首都コペンハーゲンへ向かうのだ。コペンハーゲンからスウェーデンの首都ストックホルムへ向かう。そこからまたコペンハーゲンへ戻って今度はノルウェーの首都オスロへ行くつもりだった。他の都市やフィンランドは時間と費用がかかる事から諦めることにした。
 山ちゃんは卒業試験が終わった翌々日にはデトモルトを出発した。ハンブルグから夜行に乗り換えた列車の中でとんでもないハプニングがあった。それは車掌がきて山ちゃんの切符を見てパスポートを確認すると「この切符は使えない」と言いだした。山ちゃんは「そんなバカな事はありえない。この切符は旅行会社で購入したものだ。お金もすでに払っている。」と言ってもその車掌は「この切符では年齢が25歳までしか使えない。あなたは26歳になっている。」と山ちゃんに言うと切符を没収した。そしてコペンハーゲンまでの切符を買わされた。約1万5千円かかった。列車の切符は旅行会社で購入するといろいろと安くなる切符があるが、直接買うと大変高かった。これから先は直接切符を購入しなくてはならなくなった。大変な事になった。もしかしたらデンマークしか行かれないかもしれなかった。しかたがない。とにかくこのままデンマークへ向かった。