アンサンブルの夏期講習に参加する


(夏は暑くてバテバテだア〜)
 山ちゃんはドイツに来た時から参加したかった講習会があった。でも実力をつけて参加しようと考えていた。最後の夏になるので、いよいよ参加する事にした。その講習会は多くある講習会とは少し趣が変わっていた。と言うのが、普通よくある講習会は、有名な演奏家が講師をしていて、それに個人でレッスン形式で受けるようになる。だいたい2週間の講習会だ。
 山ちゃんが受けたかった講習会は、北ドイツのヒッツァカという田舎で行われるアンサンブルを学ぶ講習会だった。講師もドイツ国内の音楽大学の教授陣だった。アンサンブルは個人で参加してもよく、アンサンブルとして参加してもよかった。そして大きな特徴だが、講習会に行った日にアンサンブルのメンバーと演奏曲が発表される。だからアンサンブルで参加しても、他のメンバーとのアンサンブルもしなければならなかった。しかも行った日に曲が決められるので、行ってからしか練習できないのだ。そしてその講習会は3週間もあった。しかもだ、講習会会場は田舎というより田舎にある城が会場で、周りには何も無いのだ。つまり3週間ずっと城の中で缶詰になって音楽三昧になるのだ。そうなると人間は食べる事が唯一の楽しみになる。ところがこの講習会はとてもドイツ的な講習会だったので食事もとってもドイツ的だったのだ。つまり朝はパンにジャム、バター、ハムにコーヒー。昼はメインでちょっとした食事が出るが、山ちゃんが以前参加したローザンヌの講習会やイタリアの講習会とは雲泥の差とは言わないが雲からは程遠い。まあまあ美味しいねっという事なのだが、問題は夕食だ。夕食は朝食と全く同じだった。これはドイツの家庭の標準なのだ。日本人である私はこれがきつかった。
もちろん事前にこんな情報があった訳ではない。今話している事は参加したからわかった事だ。と言う事で、山ちゃんはアンサンブル講習会にこうして参加したのであった。