聖堂でオルガン・コンサートをする


(聖堂だったらやっぱりこんな恰好?)
 やっと新しいフルートを手に入れた山ちゃんだったが、それから一週間後に地元の有名な聖堂でオルガンと一緒にコンサートをする事になっていた。その聖堂はロココ風なバロック様式の素敵な聖堂で中も広くて立派なパイプ・オルガンがあった。定期的に月に一度メディテーション・コンサートと称するパイプオルガンコンサートがあった。この聖堂はそんな訳で観光の目玉スポットにもなっていたし、山ちゃんは小さい頃はここでよく遊んでいたのだ。実はこの聖堂その後火事で消滅して、その後近代的な聖堂に建て替わってしまった。それでも今日でもメディテーションコンサートは続いている。
 さて話を戻そう。そのメディテーション・コンサートの第100回記念に山ちゃんは出演するという。しかも1曲2曲なんてものではない。普通のコンサート並みの曲を演奏するのだ。だがオルガンが相手だ。そんなにたくさん曲があるわけではない。とにかくまず選曲が大変だった。それでも、ドイツで楽譜を見つけてオルガン演奏者に楽譜を送っていた。曲はバッハのオルガンの為のトリオのフルートオルガン編曲と本当に珍しいオルガンとフルートの曲を2曲をメインに、フルート独奏も2曲演奏する事になっていた。オルガン演奏者の家や聖堂で練習を重ねていよいよ演奏する日がやって来た。