プラハ脱出だあ


(ここを抜けると何が?)
 チェコは音楽が盛んな国だ。オーケストラではチェコフィルハーモニーという名門オーケストラがあるしチェコ。国立歌劇場もある。しかし残念な事に山ちゃんの滞在中に演奏会がなかった。もしなんだかの演奏会があったなら山ちゃんは飲み屋でぼったくられなかったかもしれなかった。次の日の夜にコンサートがあったが、意気消沈している山ちゃんは、もう1泊してまでプラハに残る気にはなれなかった。それにヘタに街をフラフラして、昨晩の飲み屋の関係者に見つかってトラブルになるのも嫌だったので午前中の列車でドイツへ帰る事にした。ホテルのチェックアウトはさすがにビクビクだった。ぼったくられる事なくチェックアウトできた。チェコ貨幣コルナがあと2000円ばかり余っていた。使い切ろうにも何も無い。丘の上のプラハ城への登り道に何人かが絵画を売っていた。
昨日女性が美しい水彩画を売っていた。それはモルダウ河からプラハ城を描いた風景画だった。それを買いにまた丘を登った。その女性も、気に入った水彩画も売られていたのでそれを買った。そしてプラハ駅から列車に乗ってニュルンベルク経由でデトモルトへ帰った。25年前の話でした。
 現在のプラハは多くの観光客で溢れ、多くのお土産物屋が建ち並び、レストランもたくさんある。1000円では満足いく昼食にはならないだろうし、たいしたお土産も買えない。しかし美味しいビールはスーパーで安く買えた。3年前山ちゃんがプラハに行った時、近くのスーパーでビールを12本買ってホテルへ戻って、部屋に瓶を並べて写真を撮ってから、ビールを堪能したそうだ。それで25年前ぼったくられた借りをとり返したつもりになっているそうだ。まったくもってガキである。