プラハ観光していい気分で乾杯


 プラハは第2次世界大戦の戦火を逃れて古い城や橋が街並みが残っていた。街にはモルダウ河が流れその高台に城や教会がそびえていた。街中には古く大きな建物が建ち並び、評判通りの素晴らしい街だった。それでいてしっとりと落ち着いた雰囲気があって他の国にはない魅力的な街だった。しつこいようだが25年前の話である。実は山ちゃんは3年前にプラハへ行った。街は華やかになっており、観光客が街中に溢れかえっていた。城へ入るにも行列に20分程度並んでやっと入れた。まさに隔世の感があった。
 チェコはビールが何と言っても旨い。ドイツではミュンヘンのビールが旨いが、チェコではそのミュンヘンのビールを『馬の小便』と言うくらい、ビールに自信を持っている。そうそう日本でよく飲まれているビールはピルスナーという種類だが、その語源はチェコピルゼンというプラハ近くの街にある。実際にビールは旨かった。高くても350ml瓶50円位だった。安いと20円位だったが、その時点で10000円以上持っていた山ちゃんはいいビールをたくさん飲んだ。ホテル代だって3000円程度だった。
 そのホテルも案の定泊まれる事になったので、もう1日の滞在分、コルナに換金したのでさらにお金持ちになった。だから山ちゃんはホテルでいいレストランを紹介してもらって夕食をとりに行った。普段は絶対にパスポートと財布は身から離さないのだが、いいホテルなので安心して部屋にパスポートと明日分のお金を置いて行く事にした。それでも財布の中は約10000円程あった。確かに高級そうなレストランだった。ピアノの生演奏もあった。レストランでけっこういい食事をして(たしか牛肉のソテーだった)ビールも2杯飲んだ。なんとピアニストにまで飲み物を差し上げた。こんな事したのは今現在までにでも、この時だけである。いかに羽振りがよかったがわかるだろう。レストランの支払いは約3500円程度だった。まだ、お財布には6000円ちょっとは残っていた。山ちゃんは完全にいい気分になっていた。その後でとんでもない事になるとは思ってもみなかった。