チェコスロバキア、それは過酷な旅の始まり


(私たちは、楽しい旅の始まりよ❤)
 ウィーンからチェコスロバキアに出発する事にした。今は、この国はチェコスロバキアの二つに分かれているが、その当時は1つの国だった。ちなみに、その当時は、ラトビアリトアニアエストニアのバルト3国もなかったんだ。そんな時代だったのだ。
で、ウィーンからだとスロバキアを通ってチェコへ行く事になる。山ちゃんは、まずスロバキアの首都ブラチスラヴァへ行く事にした。
 東欧に入ると空気が変わる。街全体がくすんだ雰囲気になる。通行している車は少なくしかも、20年前のような型の車ばかりだ。建物が黒っぽいのは車による排気ガスせいらしかった。電気も少なく暗い。特に大晦日も近い冬のヨーロッパだ。日が暮れるのも早い。3時ぐらいには日が暮れる。すると特に暗く感じた。スーパーに入ったが物が無かった。肉のショーケースにはほとんど肉が無く、わずかなハムがあったのでそれを買った。隣のショーケースはおそらくチーズだったようだが一片も残っていない。
東欧へ行ったのは初めてではないので、そんなに驚かなかったが、国によってこうも違うのかと考えさせられた。今まで行った東欧の中で一番貧しく映った街だった。街をブラブラしてみたが、それほど魅力的ではなく、もちろんだがおしゃれなレストランも無い。ホテルは高いだけで最悪だろう。同じ最悪ならどこで泊まってもいい!そんな気持ちでインフォメーションへ行ってみた。「どこか安く泊まれる所はないか?」と訊くと「この街にはない」と言われた。移動するにも夜になった。「どこか無いか?」としつこく訊くと「冬休みなので、学生寮が空いているかもしれない」と言うので、場所を教えてもらって行く事にした。
バスにのってけっこう郊外まで行った。どうやら目の前の高い建物らしい。というか建物はこれしかない。
そこに入って受付にいるメガネをかけたおばさんに
インフォメーションで書いてくれた、この寮の名前と住所が記された紙を見せて「ここですか?」と訊く。
「そうだ」と答えた。ふう一安心だった。実はバスの中で不安だったのだ。「今日ここで泊まりたい」と言ったら「ここでは泊まれない」と言われた。さあ、大変な事になった。
と言ったら「ここでは泊まれない」と言われた。