シフのコンサートだって?


(モナチンはどこでも神出鬼没!)
 山ちゃんが、ブダペストの観光ガイドを見ていたらその日の夜に、リスト音楽院ホールでアンドラーシュ・シフのピアノコンサートがある事がわかった。
ここでちょっとシフについて解説しよう。
山ちゃんが中学生の頃、ハンガリーの御三家と呼ばれていた若手ピアニストがいた。クラシック界の「嵐」のような存在と人気だった。コチシュ、ラーンキ、そしてシフだ。特にコチシュとラーンキはイケメンだったので凄い人気だった。それからコチシュの名前は今日まで聞かなくなった。ラーンキは留学時代にケルンまでオール・ショパンの演奏会を聞きに行ったので、まだ健在だったが、最近は日本で名前をあまり聞かなくなった。一方シフはイケメンではなかったが素晴らしいピアニストだったので、山ちゃんはこれはラッキーと思って聴きに行く事にした。
 チケットはなかったが、当日会場入り口前で『チケットをさがしている』と書いた大きな紙を持っておけば、だいたい手に入る。ただ、高い席のチケットの場合が多いので値段的に覚悟がいる。ただ、ここはハンガリーだ。物価的にも高い席でも大丈夫だとふんでいた。ドイツ語で『チケットをさがしている』と書いて、何人かの年配の人に「ドイツ語がわかりますか?」と声をかけた。当時は過去の歴史の影響で東欧の年配の人はドイツ語が通じた。そして彼に紙に書いてあるドイツ語をハンガリー語に書き変えてもらった。10分ぐらいで、チケットを売りたいという人が声をかけてきた。見たところ紳士的な人でダフ屋ではなさそうだった。実際にチケットに書かれていた値段は約3500円だった。少し高いなと思ったが、昼に楽譜で散財したので勢いで買った。そして会場の中へ入った。席がなかなかわからなかった。もしかして偽物?山ちゃんはチケットを係りの人に見せて案内してもらった。そこはなんと舞台の上だった。