まずミュンヘン経由からウィーンへ


(モナチンはまだ私に近づいてくれません)
 デトモルトを発ったのは朝でビーレフェルトというビールで有名な所で乗り換えてフランクフルトに着いたのは12時頃だった。それからミュンヘンへ向かって到着したのは4時ごろだった。
 以前にも書いたが、山ちゃんの旅は目的が無くあてもない旅だったので演奏会などのタイミングで旅をした事がなかった。いつでも行ける美術館はたいていの所は行った。ミュンヘンについてインフォメーションでガイドをもらって調べてみるとなんとである。その晩に「カルロス・クライバーの指揮、バイエルン国立歌劇場ヨハン・シュトラウスの喜歌劇『こうもり』の公演があった。クラシック・ファン垂涎の公演である。チケットを買いに行くと幸運にも舞台に向かって右端の一番高い位置にあるバルコニー席の上の立ち見があった。800円もしないのだからしかたがない。
幸運だった。しかもミュンヘンは何度か来ていて、歌劇場近くに美味しいイタリアン・レストランがあるのを知っていた。初めてそこを案内してくれた人が言っていた。「美味しいイタリアンの店にはバター・スパゲティがある」のだそうだ。確かに美味しかった。その日の晩もそのレストランへ行ってバター・スパゲティを食べた。700円程度だった。そしてバイエルン国立歌劇場へ行ったのだった。左端の最上階は舞台が半分しか見えなかった。しかしオーケストラは真下に見下ろせたし、クライバーの顔が見えるくらいの位置だったのでとても満足だった。その晩は幸せな気持ちでユースホステルへ帰ったのだった。
 どんな演奏だったかを書いていると音楽評論記になるので記さないが、山ちゃんが言うには、今本屋で出ているデアゴスティーニのオペラシリーズ第10巻が日は違うが、同じシーズンの同じ演目なんだそうである。もちろん名演である。2000円なので興味がある人は買って聴いて欲しいと言っている。