音楽情報誌「オーケストラ」を買う


(今日は診察台にいやいや乗せられてふらふらだぜ)
 さて、山ちゃんは楽器を探す事になったのだが、これがなかなか大変だった。なぜなら日本の楽器店みたいに常時たくさんの楽器があるわけないのだ。ましてやハンドメイド・クラスだと日本でも縁と運も関係してくるのに、大きな楽器店がないドイツではどこに縁があるのか皆目見当がつかなかった。
 そこで、情報源として雑誌「オーケストラ」を買う事にした。この雑誌は音楽大学生の中ではかなり読まれていた。タイトルの通り、オーケストラに関しての情報誌だが、何より多くの学生の目的は雑誌の後ろの方にある団員募集の広告だろう。ドイツ国内有名無名大小80近くあったプロオーケストラの団員募集覧を見る目的だ。これはオーデションに受けなくても見ていると面白い。例えばこんな感じである。
ベルリン・フィルハーモニー セカンド・フルート&ピッコロ 1名」とか「ミュンヘンフィルハーモニー ファースト・ヴァイオリン1名 セカンド・ヴァイオリン2名」
これを見て申し込みをしてからオーデションを受けにいったりするのだが、有名なオーケストラはオーデションを受ける事自体まず無理だ。大きなコンクールで受賞経験がある者か現在他のオーケスチラで演奏している者でないとチャンスはない。だから学生は、無名な小さなオーケスチラからチャンスを狙っていくようになる。そんな小さなオーケスチラがデトモルトにもある。歌劇場のオーケスチラだ。人口5万人程の小さな町にもプロのオーケスチラがあるのだ。だからドイツは凄い。
話はかなりそれたが(山ちゃんの話はいつもそれっぱなしなのだ。ルナ)その雑誌「オーケストラ」の中に楽器に関する情報も載っていた。(そこかい!ルナ)
例えばこんな風だ「ヨハネス・ハンミッヒ1970年製 80000マルク」「ムラマツ2本あります」
それを見て、連絡を取って楽器を見に行ったりするのだった。話は最初に戻るが、山ちゃんは楽器を探すために、その音楽雑誌「オーケストラ」を買う事にしたのだった。