山ちゃん、アヒレス先生から楽器を買えと言われる。


(また新しい写真が貼り付けられなかったぞ〜)
 ところで留学時の山ちゃんの楽器はヘインズというアメリカの有名な楽器だった。日本の大学の故恩師が薦めてくれた楽器だった。だが正直、響きが良くなるまでに時間がかかった。ただ「店員からいい楽器はなってくるまでに時間がかかる。」という言葉もあり購入したものだった。当時は銀の値段が高く円は安かったので110万近くした。一生大事に使おうと思っていた。
 ところがだ。ドイツの音楽大学入学時に複数の先生から「楽器がよくない」と言われた。それでも根が素直な?山ちゃんは自分の腕が良くなればいい方向に変わってくるだろうと思って勉強していた。 
 さて、山ちゃんの留学生活2年目、1986年の秋のある日のレッスンでアヒレス先生から
「楽器を変えた方がいい。ちょっと自分のを吹いてみろ!」
そう言われ先生の楽器を吹かしてくれた。先生の楽器はヨハネス・ハンミッヒというドイツの名器だ。それを吹いてみろと渡してくれたのだ。実際吹いて驚愕だった。目からうろこが飛び出た。今まで苦労していた音などが簡単に表現できたのだ。それはハンミッヒが名器だからではなく、楽器としてこれが普通なのだと実感した。初めて自分の楽器が悪かったと思ったのだ。
 その日から山ちゃんの楽器探しの旅が始まったのだ。
ちなみに前のヘインズという楽器の余談である。
山ちゃんは、世の中いろいろな人がいるものだと感じたそうだ。ヘインズという楽器そのものが好きなのだという人が買ってくれたのだ。仲介人から受け取ったお金は55万だったからその人はもっと高く買ってくれた事になる。話によると「ヘインズの銀の色は最高」なのだそうだ。