いざデルフィの遺跡へ


(私たちもいざ出発よ❤)
 山ちゃんは、まずデルフィの遺跡を目指す事にした。アテネから鉄道を使って結構な距離を移動した。
途中コリントスだったろうか、運河を車窓から眺める事が出来た。鉄橋から眺めた運河は左右人工的な切り立った崖になっていてそこを大きな船が通っていた。ちょっとした感動だった。列車は途中何度も止まった末にとうとう何時間も停車したままになってしまった。そこが駅ではないのでなんとも不可解だ。周りの人たちにどうして停車したのか尋ねてもわからないと言う。みんな外へ出て前後を見まわしている。結局4時間はそのままの状態だった。イライラする気も失せてしまっていた。デルフィへは目的の駅から船で対岸へ渡ってそこからバスで移動する予定だった。1日あればデルフィへ着く事ができるはずだった。しかし、列車が着いたのが夕方遅くなりそこから船で渡ったら夜9時を過ぎていてもう真っ暗だった。しかもどこかで泊まろうにも周りは何もなかった。しかたがないので野宿を覚悟で歩く事にした。1時間以上歩いて小さな宿があった。ホテルやペンションという言葉は似合わない、小さな食堂に小さなゲストルームが3部屋あるかなあという程度の宿だった。山ちゃんはその部屋で爆睡した。
 翌朝バスでデルフィに向かった。結構な山道だった。3時間くらい揺られながらデルフィに着いた。
その景色は圧巻だった。山ちゃんは今でも脳裏に焼き付いていると言っている。デルフィの遺跡そのものも山の頂に堂々と存在し、そこからオリーブの緑と薄茶の斑模様の山々が連なり、はるか遠くに紺碧な地中海が望めたのだった。まさにギリシャの代名詞的風景だった。遺跡も神殿がいくつか残っていてそのほとんどの石柱が凛と立っていた。デルフィはアポロンを祀っているそうだ。ちょっとした競技場も劇場もいい状態で残っていた。古代ギリシャの空気が感じられた。本当に素晴らしい時間だった。一日中そこにいたかったのだが、限られた時間とルーズな交通機関を考えて、早めに移動することにした。