憂愁の国ポルトガルへ


ポルトガルを覗き見だ!・・・?)
 山ちゃん一行はセビリアからポルトガルの首都リスボンへ向かった。国境で列車を乗り換えリスボンへ到着した。街は浮浪者が目につきスペインの街のような華やかさは全くなかった。そのせいか街全体がどんよりと重たい雰囲気で覆われて、人々も暗く元気がないような印象だった。次の日には近郊の漁村ポルトへ向かった。ポルトでは頭からすっぽりと真っ黒な衣装を被った女性が目立った。地元の人の話では、ご主人を亡くした女性はみんな真っ黒な衣装を着なければならないという事だった。村の路地では魚を載せた大八車をひいている村人に出会った。山ちゃんは交渉して3尾の魚を買った。実は山ちゃんは、今回の旅で絶対に刺身を食べるべく、大きなナイフと醤油をデトモルトで用意をして持って来たのだった。なぜなら、前回のオランダ、ベルギーの旅で新鮮な魚を何度も見る度に、刺身が食べたくなり何度もよだれが出たのだった。大きなナイフと醤油はその時の学習だった。鯛のような魚と黒鯛のような魚と鱸のような魚を安ホテルの部屋でさばいて刺身にして、3人で食べた。それはそれは美味かった。調子に乗った山ちゃんはY君と村のバーへ出かけた。バーといっても若い女性がいるわけではない。地元のおじさんばかりの立ち飲み屋だ。ビールも安かった。しばらくしてY君が帰ると言うので山ちゃんは「バイバイ、気をつけてね。」と言ってやって今度は強い酒を注文したそうだ。本当に薄情者だ。山ちゃんは「だってしかたがない。地元の人とコミュニケーションするのにポルトガル語はわからないから酒の話で盛り上がるしかなかったのだ。」と言い訳しているが、そこじゃないだろうが・・・ルナ。
結局山ちゃんは翌朝ちゃんと安ホテルのベットで寝ていたが、いつ、どうやって帰ったかは覚えていなかったらしい。国際的酔っ払いではないか!山ちゃんは。