フラメンコを現地で見て来たぞ


(私もフラメンコ出来るのよ、オーレ!)
 山ちゃんは、デトモルトの同期の音楽仲間Y君と日本の音楽大学の同級生Hさんと一緒に3人でスペインをまわっていた。山ちゃんの拙い英語力も他の2人がしっかりサポートしてくれたお陰で楽しい旅になった。セビリアに来た頃には、バルセロナで大変な目に遭った事などみんな忘れていた。トラブルも無く旅を堪能していた。セビリアでのトラブルと言えば『笑えるくら い味が無くおいしくないバイキング』を食べたくらいだった。
 さて、その夜に観に行ったのがフラメンコだった。9時の開演だとは、さすが夜を楽しむ国スペインだと思った。日本でいう芝居小屋のような建物だった。約2000円のチケットを買って中へ入ると舞台が中央にあった。相撲の土俵程度の大きさの丸い舞台だった。その舞台を囲むように4人掛けのテーブルとイスが並んでいた。80人も入れば会場は一杯になった。
山ちゃんの周りはみんな英語だったので雰囲気から
アメリカ人観光客のようだった。山ちゃんは『観光客相手のフラメンコなのか?また失敗したかな!』と思った。そのうちショーが始まった。素晴らしかった。
太った女性がバタバタとコミカルなフラメンコを踊ったり、美しい女性が両手にカスタネットをかき鳴らして踊ったり本当にバラエティーに富んで楽しかった。
欲を言えば、客の反応がやはり観光客のノリだった。
もちろんアメリカ人たちが盛り上げていたが、多分地元のノリは違うのだろうと感じた。フラメンコの伴奏は当然ギターなのだが、このギターが抜群に上手だった。時折ギターソロがあったので山ちゃんは本当に堪能できた。約1時間半ビールを飲みながら楽しい時間を過ごした。演目も全て終わって会場から外へ出ると・・・なんと地元の人たちが大勢会場前で並んでいたのだ。そうだったのだ。地元の人は夜11時からの公演を楽しんでいたのだった。多分チケットももっと安いのだろう。さすが夜遊びの国民であった。