セビリアで見たカルメンの子供たち


(チャンチャカチャン!オ〜レ!)
 昨日「アルハンブル」を書いてから、ライヴィッチと山ちゃんと散歩に出かけた。山ちゃんは能天気にもまだ「セビリアの理髪師」のアリアを鼻で歌っていた。すると突然「やばいぞ!」と言いだした。「あの曲はバリトンだった、テナーって言ったかもしれない。」私ルナは「言ったかもしれないじゃなく、言ったんだよ。だから私は書いたぞ。」という目で見てやった。山ちゃんは私の頭を撫でながらお願いしてくるから仕方ない!訂正しておく。しっかりしてくれよ山ちゃん!「きのう最後に歌っていた曲はロッシーニの『セビリアの理髪師』よりフィガロバリトン)が歌う『おれは町の何でも屋』でした。」
 そのセビリアの町の街路樹はオレンジだった。さすがスペイン南部の街だった。話によると、食べるのに困った人たちのために植えてあるそうだ。そのオレンジのある通りを歩いていると手拍子や歌が聞こえて来た。どうやら公園から聞こえていいるようだった。山ちゃんたちが近づくと、そこには中高生らしき子供たちが集まっていた。男の子が大きな輪になり立って、肩の上で手拍子を叩きながら歌を歌いだす。すると女の子が一人踊りながら輪の中に入って来て中心で本格的に踊りだす。1分くらい踊って男の子たちの輪から出ていくと次の女の子が踊りに入って来た。山ちゃんは見入ってしまったらしい。だって女の子はもう十分に魅惑的でカルメンのように男の子たちの気持ちを惹きつけていた。もちろん山ちゃんの心も惹きつけられ、30分くらいはそこで見入っていたそうだ。ただのスケベのアジア人ではないか!(ルナ)
その時から山ちゃんの頭の中はロッシーニからビゼーの「カルメン」に代わっていた。(単純な奴・・・ルナ)
 さて山ちゃん一行は、夕食のレストランをさがす事にした。表看板が英語で記されている事から一目で観光客相手だとわかるレストランだったが、バイキングでパエリャもあったのでそこにした。2000円くらいだったと記憶している。それ以上に記憶に残っているのが、どの料理も本当に不味かった事だ。否、不味いというより全く味がないと表現した方がいいだろう。どの料理も味が無かった。ようするに塩味が無いのだ。山ちゃんたちは怒りを通り越して笑いながら食べた。「すご〜い、これも味がしないね。」「これはパエリャではなく黄色ご飯じゃん!」などなど。そして夜は気を取り直してフラメンコを観に出かけたのだった。