芸術の街バルセロナへ


(2011年は雪まみれのお正月を迎えました)
 ルナピンスキーより
「みなさん、あけましておめでとうございます。
 今年もどうぞよろしくお願いします。
 『山ちゃんのドイツ留学狂想曲』は、やっと
 留学1年目が経ち、まだまだ続きます。みなさんど うぞ続きそうなのでつきやってくださいませ。
 だいたい昨日食べた物も覚えてない山ちゃんが、
 何故、25年も昔の事を覚えているのかが不思議な 事だ。その記憶力を曲の暗譜にいかしてほしい!」

 さて、バルセロナに着いた山ちゃん一行はさっそく駅から街の中心へ歩いていった。途中の広場には塔のようなモニュメントが建っていた。一目見るなり、ミロの作だとわかった。バルセロナへ来た実感が湧いてきて何だか無性に嬉しくなった。
 バルセロナはスペインの中でも特別な地だ。画家ではピカソ、ミロ、ダリが有名で建築家ではガウディがいた。チェロの巨匠カザルスの出身地でもあった。
スペインの事を「天才と凡才が同居する国」と表現する事もあるが、山ちゃんはバルセロナの街を歩いてこう感じた。「天才は突然に現れたのではない。多くの才能ある凡才の中から必然のように生れてきた才能なのだ!」と。そのくらいバルセロナの街は歩いていて楽しかった。建物は個性的でフランスのアールヌーヴォーがもっと身近に溢れていた。そして女性のファッションも個性的で一人一人が輝いて見えた。それは、山ちゃんがスペインで浮かれていたのではないか〜?とルナピンスキーは言ったが、そうではないと言う。山ちゃんは、ドイツにいると日本で何が流行っているかすぐわかると言った。なぜなら日本の観光客や来たばかりの留学生はみんな同じような格好をしているそうだ。実際、パリで出会った日本のツアー観光客で女性のほとんどがカチューシャという輪を髪につけていた。それ自体センスが良くてもみんながしていると異様に映る。山ちゃんはドイツでもよくそんな光景を目にしていたそうだ。
 スペインの女性は違った。個性的で自分をよく理解し、それぞれが本当に魅力的に見えたのだった。そしてわくわくしている山ちゃんと一行はバルセロナの街中の観光名所にむかった。