山ちゃん冬休みの旅へ


(お休みは寝ておくにかぎる!)
 山ちゃんはもともと旅行が好きなのではない。むしろ出不精なくらいだ。町や文化を見て回るのが好きなようだ。観光地は当然だが、ただの街並みから普通の教会(日本では神社仏閣)いろいろなお店やスーパーマーケットまでその町の日常生活を覗いて見るのが好きなんだそうだ。それは日本にいる今でもそうで、奥様が買い物に行くと喜んでついて行って勝手に一人でふらふらしている。そんな山ちゃんがドイツに行ったものだから、しかも休みも長く、安く旅行できたものだから、本当に天国にいるような気分だったようだ。ただ、一人旅で結構時間いっぱいに行動するような旅だったので、ご当地のおいしい物はほとんど食べていないようだ。昼は広場などで売られているパンとビール、夜はスーパーなどで買ったパン、ハム、ビールをユースホステルに持ち帰って食べていた。つまり有名なレストランどころか普通のレストランすらほとんど利用するような事はなかったようだ。理由は一人でレストランに入ってもおいしくないから、と山ちゃんは言っているが、きっとお金が無かったのだとルナピンスキーは思っている。ただ、安げな飲み屋にはよく行ったそうだ。
 さて、山ちゃんはそんなに長くはない冬休みを近くの国で過ごす事にした。その当時のヨーロッパで東側に行くにはビザが必要なためめんどくさかったので、デトモルトから一番近い隣国へ行く事にした。目的地はオランダ、ベルギーに決まった。