山ちゃんの平日の夜の過ごし方。


(これがルナピンスキーの平日の過ごし方だ!)
 ドイツの音楽大学の卒業試験は、日本みたいに集中的に全員を試験するのではなく、1週間に4名が卒業試験を受ける事ができ、それが大学が開校されているかぎり年中行われているのだ。卒業試験は夜行われる約45分のコンサート試験と翌朝行われる約1時間半のレパートリー試験がある。詳しくはまた山ちゃんが卒業試験を受けた時に話そう。(いつになるやら)
45分のコンサート試験は2人ずつ1晩で行われるので週に2日はホールで卒業試験コンサートが楽しめるのだ。しかもこれは公開しているので、市民が結構たくさんやって来ては演奏家の卵たちの真剣な卒業試験のコンサートを楽しんで帰っていく。山ちゃんも夜はこのコンサートを楽しみにしていたそうだ。他に週に2回ほど小ホールで発表会のような演奏会があった。小ホールとはいえ昔宮廷だった建物の中だったので雰囲気は抜群だった。一人一曲ずつ約6名の学生が出演していた。演奏は玉石混合ではあったが、いろいろな楽器や声楽を聴く事ができたのでとても楽しかった。つまり毎晩のようにコンサートがあったのだ。それに時々は大学ホールに有名な演奏家のコンサートもあった。山ちゃんはベルリンフィルのフルーティストであったツェラーの演奏を初めてデトモルトで聴いた。それにデトモルトは人口5万人程の小さな町なのだが、歌劇場がありほぼ毎日歌劇を上演していた。山ちゃんは時々観に行った。
 つまり山ちゃんは、デトモルトの夜は毎日音楽三昧だったのだ。(でもその後は毎晩のようにお酒三昧だったとルナピンスキーは知っている。)