山ちゃん、ガルダ湖畔の町リヴァへ行く


(私たちは湖畔ではなく川遊び)
 ドイツにはアウトバーンという高速道路がある。しかも無料なのだ。いくら隣国が近いとはいえイタリアまではアウトバーンを飛ばしても(速度無制限なのだ)12時間はかかった。しかし山ちゃんは退屈することはなかったらしい。それは目まぐるしく変わる景色が日本と違って新鮮だったし、それを遮るフェンスがアウトバーンに無かったのが良かった。感動のままに飽きることなくあっという間にイタリアのガルダ湖に着いた。
 ヨーロッパでは長い夏休みにアルプスの南側から地中海、つまりスペインから南フランスやイタリア、ギリシアへバカンスへ出かける習慣がある。だからオペラなどの音楽会もお休みになる。そのかわりにバカンスの地ではそんな訪問者たちを楽しませるために夏の音楽祭が開かれたりする。ちゃっかり者の主催者や教授たちが手を組むと、その音楽祭に夏の講習会が組まれていたりする。だから音楽大学の教授たちはみんな夏休みはバカンスでいなくなるのだが、本当にバカンスに行ってしまう教授とバカンスの地でちゃっかりと仕事にいそしむ教授がいるわけだ。山ちゃんの先生アヒレス教授は毎年家族と本当のバカンスへ出かけていた。山ちゃんはガルダ湖畔リヴァで一週間、スイスの音楽大学のクルム教授にレッスンを受けることになったのだ。この1週間は町にとっての音楽祭でもあり、山ちゃんたち受講生も毎日、昼はレッスンを受けたり町のいろいろな所で演奏したりし、夜は教授陣の演奏会を楽しんだり、仲間と飲んでいたそうだ。まさに夢のような1週間だったらしい。(夢のようなとは飲む事だけだったのではないか〜?ルナ)