おもしろきかな寮生活(その2)


(おもしろきかなルナピンスキー生活)
 山ちゃんが学生寮に入って何が一番びっくりしたかっていうと、何にでも男女が分かれていなかった事なんだって!もちろん寮のロビー兼ダイニングは男女が入り混じってテレビを見たり食事をしたりして仲良くしていたので、男女が分かれていない事は初めて寮に来た時から理解できた。しかしである。山ちゃんの部屋の前や斜め前の部屋から女学生が出てきた時はさすがにびっくりしたらしい。それでも昔は男女の棟が分かれていたらしいが山ちゃんが入ったころはもうすでに男女の部屋はゴチャゴチャになっていたらしい。しかも部屋の出入りは自由なので、廊下を歩いているとあっちこっちの部屋で男女の楽しそうな声やいろいろな声や音が聞こえるのだ。それだけではない。
 寮には簡単な扉で仕切られたシャワー室が5つと一番奥の一室がバスになっていた。日本人である山ちゃんはバス(風呂)に入らないと我慢できないので毎日昼休みにバスにお湯を溜めて風呂に入っていた。ドイツ人たちはいつも簡単にシャワーで済ませている。バスに入っている山ちゃんの隣で鼻歌を歌いながらシャワーを浴びているのだ。その鼻歌が女の声だったりするからびっくりする。そう、シャワー室も男女共用なのだ。それだけではないぞ。
 ドイツは空気が乾燥しているので洗濯物も地下にある乾燥室という部屋に干す。ロープが張られていてそこに洗濯物を干しておくのだ。もしいっぱいの時は、乾いている洗濯物をさがして勝手に取りまとめベンチに置いてもいい。その乾燥室ですら男女共用だった。
だから万国旗のように女性の下着が張り巡らされている光景は日常茶飯事だった。もちろんそれらを手にして取りまとめベンチに置いておくことも度々だった。
日本では全く考えられない事だ。さすがに日本の女学生は下着を自分の部屋に干しているらしかった。ドイツ人たちは、「日本では考えられない!」という山ちゃんの話が考えられないらしい。