フルートレッスン、ドイツ語で悪戦苦闘


(私はライヴィッチといつも悪戦苦闘?)
 フィンランド娘イルメリはあっという間にドイツ語もフルートも上達してドイツ人の彼氏ができ、すぐに有名なフルーティストがいたケルンの音楽大学へ移って行ったんだって・・・ジャンジャン。
 日本では「どこの大学へ行っているの?」と聞かれるが、ドイツでは「誰に習っているの?」と聞かれる。有名な教授が別の大学へ移ると、その門下生たちはみんな教授と一緒に移るんだそうだ。日本では考えられないね。例えば東京芸術大学の教授が地方の音楽大学に移ったからって、門下生たちは一緒に行かないだろうなあ〜。(私とライヴィッチは山ちゃんにどこまでもついて行くからね❤)山ちゃんの行ったデトモルト音楽大学は昔はドイツ屈指の名門だったらしい。でも大都市の音楽大学が次々と有名な教授陣を引き抜いて行ったそうだ。
 さて山ちゃんは、アヒレス教授のレッスンでは相変わらず悪戦苦闘と思いきや、ドイツ語で質問攻勢作戦が功を奏してけっこうスムーズにレッスンを受ける事が出来たんだそうだ。何よりアヒレス教授が人格者だったから演奏を混ぜながら容易なドイツ語を駆使してレッスンしてくれただけだと思っている。例えば、レッスン始めのアヒレス教授のこの言葉は、先生の人柄とフルートや音楽の本質を表現したものとして今でも山ちゃんの心に深く刻まれているそうだ。
「なあヒデト!日本にはサクラがあるだろう。サクラ は遠くから見たそのフォルム(形)が美しいだろ  う?!でも近くで見ても花びらの形が美しいだろ  う?!サクラは一つ一つの美しく完璧な形をした花 びらがあって、それがたくさん集まって一つの美し い木になるのだ。音楽も同様で、一つ一つの美しい 音があってそれが集まってはじめて美しい音楽にな るのだよ!」山ちゃんは本当に感動したそうだ。
最後にルナピンスキーがその言葉を訳してやろう。
「おいっ!お前音が悪いぞ!そんな悪い音だとどんな
 に頑張って表現してもいい音楽にはならんぞ!」
どうだ、わかったか?山ちゃん。