山ちゃんドイツの地に降りるの話


(楽しいお散歩です・・・。)
 山ちゃんは生まれて初めて飛行機に乗りフランクフルト経由で深夜ハンブルグに到着した。
 翌日に、唯一返信をくれ演奏テープを送った音大があるデトモルトという町へ向った。デトモルトは約5万人程の小さい町だが、町の中心にお城があり歌劇場があり大学は大きな庭がありリスやハリネズミやシカが出てくるような素晴らしい環境だった。田舎者の山ちゃんはデトモルトがすぐに気に入った。
 翌日にはフルートで留学している日本人女性と知り合い、その方の紹介でフルート教授アヒレス氏に会う事ができた。アヒレス教授の前で演奏したが、教授は自分の所は定員いっぱいだから弟子にはできない、と言った。これを裏返して考えると「お前はヘタだから
弟子にしない。」という事だとルナピンスキーは思った。ここまで書くと、山ちゃんは一人でドイツをウロウロしながら先生を見つけたのだ、と思ってしまうがどうやら違うらしい。飛行場も知り合いの日本人が迎えに来てくれ、そこからは日本人の知り合いの知り合い経由で交友が広がっていっただけの事だ。ようするにドイツ語がわからなくてもみんなが通訳をしてくれたんだって。な〜んだそんな事かあ!
 山ちゃんが言うには「ドイツに滞在していた日本人はみんな親切だった。だから私も人に親切にした。」だって。これはどうもあやしい!
 とにかくこの日から山ちゃんのフルート武者修行の旅が始まった。