師走の呟き(5)

 前回のブログを読み返すと「場違いな所へ来てしまったような罪悪感」と記していて、なぜ異和感と書かなかったのか、ふっと考えてしまった。確かにこの校舎には色々な想い出が詰まっている。楽しい事もたくさんあっが・・・それが罪悪感かあ・・・僕は11月に広島へ行き、先ず母校のエリザベト音楽大学へ行った。いきなり外観にビックリした。5階までの窓全面にグレゴリオ聖歌のネウマ譜が施されていた。ここで注釈(いつもくどい文ですみません)グレゴリオ聖歌は古いキリスト教の聖歌でネウマ譜はそれを採譜した4線譜(今の楽譜は5線譜)の楽譜で音符は現在のいわゆるオタマジャクシの音符が丸くなく四角くなっている楽譜で、その楽譜の授業を学生全員が2年間勉強しなければならないという音楽大学だった。だから卒業生は全員今でもこのネウマ譜を読む事ができる・・・はずだ。その圧巻な窓を見ながら僕は3階から上はみえないようと一人で毒づきながら玄関を入った。入口に守衛室がある。守衛さんに卒業生であることを告げると「エレベーターでどうぞ」と言われた。えっ、僕の時代は学生はエレベーターの使用禁止だったのに・・・とぶつぶつ独り言を呟きながら5階(最上階)で降りた。それからはダラダラと部屋を覗き見」しながら階段で地上階へ降り母校を後にした。美術館近くのレストランで昼食に赤ワイン一本フルボトルで飲みエッシャー展を観た。ここでは多くは語らないが、僕の昔からの悪い癖。先入観が暴発し勝手に妄想が膨らんで、思い込み激しく観てしまった。昔から映画やドラマや音楽やらそんな状況でガッカリすることは多々あった。それでも今回はいや今年は2回も広島に行く事ができ、自分の精神が過去の学生時代の自分を想いおこさせてくれた本当にいい思い出になった。だからこれが僕の今年の一番のいい事になった。