仔猫騒動記(3)

ある日コゲが二匹の小さな小さな仔猫を連れてきた。そうなのだ。赤ちゃん猫騒動記で記した亡くなった赤ちゃん猫4匹以外にもまだ2匹いたのだと知った。その赤ちゃん猫が小さな仔猫までに育ってお母さんが連れてきたようだ。でもその2匹の仔猫は僕の姿を見ると一目散に逃げていった。一匹はコゲに似ていた。我が家のカイに勝るとも劣らない可愛い顔をしていた。もう一匹も母親似だが胸からお腹が真っ白だった。この仔も本当に可愛かった。僕はその仔猫たちが現れるのを楽しみにしていたが、当初はあまり顔を見せなかった。そんなある日アルファとルドルフの寝床にその仔猫たちも一緒に寝ていた。それ以来、アルファとルドルフとジジがお店で餌を食べている際に僕は寝床へ餌をやりに行った。コゲは相変わらずちょっと離れて恨めしそうに見ている。やがて仔猫が店の入り口で餌を食べている所へ仔猫が入ってきた。僕は「あんたらも食べなさい」と言うと僕の存在に気付いた仔猫たちは逃げた。それからはアルファたちがくると僕は隠れてその様子を見た。すると仔猫たちがやってきた。仔猫たちが餌を食べ始めるとアルファもルドルフも一歩下がって仔猫たちを見守っていた。ジジは仔猫たちと一緒に餌を貪っていた。そのうち仔猫たちは僕の姿を見ても逃げなくなったが近寄ったら逃げるので僕はある程度の、つまり手を伸ばしても仔猫たちに届かない距離で見守った。