湯田温泉酒祭りの話(1)

ホームページのトップにある居酒屋『赤いはりねずみ』は湯田温泉にある。実は僕は小学生のころからここで育った。お店ではない。お店は僕が改装した。お店は一部だけでこの家全体ではない。とにかく僕はこの土地で高校を卒業するまで育った。『赤いはりねずみ』のある通りは温泉通りという飲み屋がたくさんある通りだ。僕が小学生のころは飲み屋はこの通りに集中していて、酒飲みがウジャウジャいた。あちこちで喧嘩の怒声が聞こえ、翌朝には数えきれない吐しゃ物を見ながら登校した。今では全国的にであろうが、飲み屋街でゲエゲエ吐いている輩は圧倒的に少なくなっている。それにともない、ここ湯田温泉の町を飲み歩いている者も圧倒的に少なくなっている。でも昔よりも増えているのは店舗の数だろうか。今は飲み屋はうちの前の温泉通りだけでなく湯田温泉町全体に広がっている。温泉通りと同じほどの幅と長さの通りが一本先にある。それぞれの通りは端から端までゆっくり歩いても5分とかからない。通りから次の通りまでは路地を通って3分もかからない。その通りに『中原中也記念館』がある。そこの敷地で中原中也が生まれた。そしてもう一本先の通りに『井上公園』がある。大きな公園ではない。が、僕たちは小学校の頃そこの広場でソフトボールをしていた。複数回ホームランを打つ奴もいたが、僕は打った記憶が無い。その広場が『湯田温泉酒祭り』のメイン会場になる。