ただしの里親募集(3)


(私はただしではないよ!)
 ライはもうおじいちゃんだ!最近とみに山道がきつそうだ。おじいちゃんとおてんば娘のルナとを一緒に山道へ連れて行くのは難しいと判断した。本当はそのためにただしも一緒に来れたらよかったのだけどね。家内と相談して今日からライの朝の散歩は家内担当で家の周辺を歩く事になった。で、僕はルナを車で山へ連れて行った。その山はらくらくコースやらのんびりコースやらいろいろあり、ライが歩きたがらなくなりずっとのんびりコースを歩いていたのだが、今日はルナとはりきりコースを歩いた。はりきりコースは山頂まで急こう配な階段で山頂まで登って降りるもので、昔バーニーズのムンと家内と一緒に来ていた。僕が歳をとったのか怠けていたのか、久しぶりのはりきりコースはとてもきつかった。ルナは楽しそうだったが僕は昔は散歩程度にしか思ってなかったこのコースがこんなにきついと思った自分にショックを受けた。
 途中出会った上品なおばさま2人組のお一人が、「あら今日は一匹だけですか?レトリバーはいないのですか?」と訊かれたので「もう一匹はレトリバーではなくベルジアンタービュレンという犬でおじいちゃんになったので今日からこいつ(ルナ)だけ連れてくる事にしたのです。」と言って歩きはじめたが・・・そのおばさまの怪訝そうな顔が脳裏に離れなくて引き返した。そして僕がその方に「もしかしてもう一匹の犬は本当にラブラドールレトリバーでしたね?」と訊いたらその方も「そうだと訊きました!」と答えられた。・・・・・ただしだ!そうかあ・・・ただしがホームステイにきたその日に連れて行ったたったその時にその方に会っていたのだ。(正確にはその一日はルナとただしの二匹でお散歩して、次の日は家内がライを連れて僕がルナとただしと一緒に山道を散歩した)
僕は事情を説明して、ただしの里親になってくれる方を募集している旨をお願いした。本当に誰かただしを愛してくれる方が現れる事を願っている。