第四幕第一場(9)
【赤ハリ先生】
あれ?ブラマンはどこにいる?ブラマンがいないではないか。
【舞台上の一同】
どうしたの先生?酔っ払っているの?
【イルカさん】
先生、相当に酔っているのね。
【神杉静江】
あら、そんなに酔っ払っていらっしゃるの?
【ノブタ】
先生こそがブラマンではないですか。
【ノブチン】
先生、きっと酔っ払って夢でも見たのでしょう。
【タア子】
もう、どんな夢を見てたのよ。しっかりしてよ。
【イルカさん】
奥さんも大変ね。先生ったらこんなに酔っ払ってしまって。
【ノブタ】
本当に酔っ払いの面倒は大変ですよ。
【ノブチン】
でもいつもの事ですものねえ、奥さん?
【神杉静江】
そうですの?いつもの事なのです?
【タア子】
ええ、その通りよ、そしていつも変な幻想を見るのよ。
【ノブタ】
どんな幻想ですか?
【赤ハリ先生】
それは私から話しましょう・・・ウップッ!
今の私と別の若い私がそこにいるのです。その彼女はブラマンと呼ばれています。ああブラマン、どこへ行ったのだ?どこにいるのだ?
♫♫♫
赤ハリ先生はそう叫ぶと、赤ワインを瓶ごと飲み干して舞台上に倒れた。
急展開にオーケストラのテンポが上がった。
舞台上の照明がパッと全開になった。
赤ハリ先生以外の出演者が最後の掛け合いを歌い出した。